カテゴリー別アーカイブ: 加藤泰

映画の思考について、または『ざ・鬼太鼓座』について

1 プラトンの対話篇『メノン』に出てくる有名なエピソードは次の通りである――ソクラテスは対話の相手に十二、三歳の少年を選び、三平方の定理をまだ教わっていない彼にいくつかのヒントを与えることを通じて、彼自身に独力でこの定理 … 続きを読む

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加藤泰『ざ・鬼太鼓座』

Akatukiyamiさん(当ブログ運営者のわたしが常々日本映画に関して貴重な指導を頂戴している友人)から、加藤泰『ざ・鬼太鼓座』についての素晴らしい論考をお寄せいただいた(もともと複数のメールであったものを、わたしが独 … 続きを読む

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加藤泰『阿片台地 地獄部隊突撃せよ』(1966)

加藤泰が安藤昇のプロダクション「ゴールデンぷろ」で1966年に撮った『阿片台地 地獄部隊突撃せよ』は、加藤のフィルモグラフィーの中では無視されがちかもしれない。ストーリーの破綻と、観客へのサービスを欠いた人物の描き方(た … 続きを読む

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加藤泰後期作品の折り返し構造について(2)

『日本侠花伝』と『炎のごとく』の魅力が、重要な出来事とそれを描写するショットの前後半における呼応、つまりここで言う「折り返し」構造に尽きるなどと主張するつもりはない。激しい情念の充填(不正義や裏切りに対する憎しみと怒り、 … 続きを読む

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加藤泰後期作品の折り返し構造について(1)

加藤泰後期の2作品『日本俠花伝』(1973)と『炎のごとく』(1981)はどちらも2部構成で、前後半に呼応しあう場面またはショットが配置される「折り返し」構造を持つ。 長尺の映画と、物語構成そのものに自覚的な映画に、こう … 続きを読む

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『風と女と旅鴉』の音声について

前のエントリーで報告させていただいた通り、今後こちらでは落ち着いて音楽と映画を論じることができる(たまに小説も書く)。 『風と女と旅鴉』のニュープリントの音声がとてもよいことは前に述べたが、今日同じプリントをフィルムセン … 続きを読む

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『風と女と旅鴉』

フィルムセンターにて今日再見――待望のニュープリント上映である。特筆すべきは音声の鮮明さだ(ノイズがまったくといっていいほどない)。三國連太郎と中村錦之助が出会う川辺の少し前のショットで、木立の間を一人行く連太郎が川のせ … 続きを読む

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