カテゴリー別アーカイブ: 川島雄三

『幕末太陽傳』のお大尽

アウトワンのレポートは例によって特に反響なく無事終了した。今日は暇なので、アウトワンのアドリブに匹敵するそれを紹介しよう。映画史上最高の即興の一つは、川島雄三『幕末太陽傳』終幕近く、贔屓の遊女を訪ねて廓にやってきた田舎の … 続きを読む

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『風船』(2)

このフィルムは何て素晴らしいのだろう。芦川いづみも黛敏郎も最高だ。川島雄三のこれが本音なのだと思う。泣ける。また泣いた。

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『女は二度生まれる』(5)

3) 靖国神社 アヴァンタイトルで山村聰を驚かす太鼓は、その後も執拗に響く。タイトル直後の神社境内のショット群(斜めに断ち切られた菊の紋章のアップ、脚を引きずりながら参拝する傷痍軍人たちなど)の中には、すでに遺族会の参拝 … 続きを読む

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『女は二度生まれる』(4)

2) 寝ない男たち 本作前半の若尾文子は、神楽坂の置き屋と靖国神社近くの料亭の間半径500メートル足らずの小世界に現れる男たちと次々に情事を重ねていく。ただし一人の男(藤巻潤)は例外で、九段会館で遺族会の事務のアルバイト … 続きを読む

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『還って来た男』(1944)ーー固有名か確定記述か

寝不足での連夜の五合呑みがたたり、今朝は二日酔い気味だった。それゆえ筆の進みが悪く、『女は二度生まれる』を完成できなかった。明日も予定があるので、結論が仕上がるのは明後日になる。 ところで、わたしは昨日川島の第一作『還っ … 続きを読む

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『女は二度生まれる』(3)

川島雄三の映画についてその作品を見ていない人を相手に説明しようとすれば筋書きの紹介になりがちだ。それだけ話が複雑で、こんがらがったところが面白いからである。しかし、ブログでそんなことをやっていても埒が明かない。ここでは『 … 続きを読む

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『女は二度生まれる』(2)

映画における思考とは、人物の台詞や物語を通して間接的に語られる作者の思想のことではなく、編集された映像と音声のテクスチュアとそれが生み出す意味作用のことである。映像と音声をそのように配列したのは制作者だから、当然それらの … 続きを読む

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『女は二度生まれる』(1)

ローラ・モンテスを撮るオフュルスのカメラは残酷である。数知れない伝説とスキャンダルを背負って零落したローラは、自らの恋愛遍歴を描いたスペクタクルの主役をサーカスの舞台で演じる。自分自身の生涯を再現するだけではない。ダンス … 続きを読む

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川島雄三フィルモグラフィーの暗記のしかた

川島雄三は45年の生涯に51本の映画を撮り、急逝時には3本の作品(フランキー堺が写楽を演じる『寛政太陽傅』を含む)が準備されていた。多作家なので、1年に6本撮ったこともあり、彼のフィルモグラフィーを頭に入れるには多少の工 … 続きを読む

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『幕末太陽傳』の芦川いづみ

特集「恋する女優 芦川いづみ」(神保町シアター)は盛況のうちに幕を閉じた。わたしが今回の特集で最初に見たのは『風船』、最後に見たのは『東京マダムと大阪夫人』――ともに監督は川島雄三である。他に何か川島作品をやらなかったっ … 続きを読む

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