月別アーカイブ: 10月 2013

ディレクターズカットという謎

マイケル・チミノ『天国の門』のデジタル修復版(2012年ヴェネツィア映画祭で、またこのたび東京と大阪で公開された216分版で、2012年にThe Criterion CollectionからリリースされたBlu-rayお … 続きを読む

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『加藤泰、映画を語る』(山根貞男・安井喜雄編)

増補再編集版がちくま文庫に収められた。「伊藤大輔の初期作品」「若き日の映画体験と僕のシャシン――『みな殺しの霊歌』と『ざ・鬼太鼓座』について」などの講演とエッセイが新たに加えられている。 松竹で撮られた『みな殺しの霊歌』 … 続きを読む

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Liebster Gott, wenn werd ich sterben

ライプツィッヒのバッハ・アルヒーフ(アーカイブ)会長に就任したイギリス人、ジョン・エリオット・ガーディナーによるJ・S・バッハのカンタータ集成がようやく出荷された。一ヶ月ほど発売が延びていたのでうれしい。この間わたしはグ … 続きを読む

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清順の戦争三部作

「肉体の門」「俺たちの血が許さない」「春婦傳」を制作時期とテーマにしたがって戦争三部作と呼びたい。これらに共通する点は、前のエッセーで指摘した主人公の破滅的な死に至る生に留まらない。主人公が生きる意志を強く抱き、生への促 … 続きを読む

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清順と戦争

鈴木清順監督が1923年(関東大震災の年)に生まれ、従軍したことは、彼のキャリアに大きな影響を与えている。この点は1926年生まれの中平康と比較するとわかりやすい。同じ大正生まれでありながら(中平の誕生月は1月だから、か … 続きを読む

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帝王切開について

「ツィゴイネルワイゼン」の次のシーンは、一挿話に過ぎないのに記憶に残る。藤田敏八が妻から電話で原田芳雄の死を報らされた後に、早く帰ってほしいという懇願を無視して外科医の玉川伊佐男とバーで待ち合わせるところである。 玉川は … 続きを読む

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「いち期は夢よ 御狂へ(注a)」(鈴木清順)

「いち期は夢よ 御狂へ」。今月の特集に寄せて、鈴木清順監督自ら神保町シアターに贈った色紙にはこうある。「ツィゴイネルワイゼン」の中砂(原田芳雄)は、親友青地(藤田敏八)の不在時にその妻(大楠道代)のもとを訪れ、原田本人の … 続きを読む

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遍歴の伴侶と離別――清順映画におけるイメージの旅

「鈴木清順作品における遍歴という構造について」の続きである。ここで“遍歴”は、清順作品に固有の大胆なカットをまたいで、異質な空間を移動していくイメージの旅を意味する。そうしたイメージの代表は主人公および彼(女)が探し求め … 続きを読む

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鈴木清順作品における遍歴という構造について

「清順の剃刀、あるいは鈴木清順の編集技法について」の続きである。できれば先のエッセーも読んでいただきたいが、あちらは初期作品に重点を置いた記述で長いため、興味を引かれないかたも多いと思う。そこで今回は極力要点だけ簡潔に書 … 続きを読む

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清順の剃刀、あるいは鈴木清順の編集技法について

日活時代の清順特集(神保町シアター)が二週目に入った。どれを取っても強力な面白さ。欲が出て、つい残りの20本も見たくなる。この時期の制作現場をよく知るスタッフへのしつこいインタビュー本があったらなとも思う。というのはこの … 続きを読む

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