月別アーカイブ: 4月 2014

生存戦略(なぜ『青白い炎』なのか)

近況についてのエントリーを書いていなかったので、唐突に『青白い炎』を論じ始めたりして、具合でも悪くなったのではないかとご心配をかけたかもしれない/かけなかったかもしれない/かけなかっただろう。 これには浅いわけがある。年 … 続きを読む

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『大いなる沈黙へーーグランド・シャルトルーズ修道院』(Die grosse Stille, a film by Philip Gröning, 2005)

ミイラ撮りがミイラになる、いやミイラになるためにミイラ撮りに行くと言うべきか。祈りを撮影するうちに映画が祈りになってしまう。 フィリップ・グレーニング(Philip Gröning) の2005年作品『大いなる沈黙へ』( … 続きを読む

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『青白い炎』

目次 1 ナボコフに対する現代人の関心と無関心 2 過去主義者(preterist) 3 神秘主義からの脱却――言語空間の可能性へ 4 Combinational delight   1 ナボコフに対する現代人 … 続きを読む

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バルタザールとブレッソン

ロベール・ブレッソンは『バルタザールどこへ行く』の撮影にあたって主演のロバに演技指導をしたという話がある。わたしは確信を持って言うが、そんなマヌケなことをするはずはない。たぶんブレッソンはバルタザールに話しかけていただけ … 続きを読む

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バルタザール・クロソウスキー

バルテュスの本名はバルタザール・ミシェル・クロソウスキー・ド・ローラであり、兄はあのピエール・クロソウスキーだ。さて、例によってどうでもよい話である。ピエールはいくつかの映画に俳優として出演しており、ロベール・ブレッソン … 続きを読む

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『夢見るローラ』

小田急線の代々木八幡駅は秋刀魚のようにカーブしていて(注1)、通過列車はこの湾曲のためキイキイきしり声を立てる。ところでこの駅舎に面したとあるビルの壁には比較的大きな二つの広告掲示スペースがあり、今はその一つがバルテュス … 続きを読む

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映画製作について

岡崎乾二郎の驚異的な作品『ルネサンス 経験の条件』の一節に、サンタ・マリア・デル・フィオーレのドーム建設にあたってブルネレスキが考案した数えきれない妙案のひとつとして、職人の昇降の労を減らすため、矢筈に組まれた二層構造の … 続きを読む

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フンマー×フンマー(クリスティアン・ペッツォルトの「内破」について)

クリスティアン・ペッツォルト監督の“Die innere Sicherheit”(邦題『治安』、2000)と“Gespenster”(邦題『幻影』、2005)とは、およそ5年の間隔を置いて撮られているにもかかわらず、双子 … 続きを読む

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ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー映画祭2014

『ベルリン・アレクサンダー広場』が東京に帰ってくる。しかも今度は本作品を2002年に日本初公開したアテネフランセ文化センターの企画による“ファスビンダー映画祭2014”の一環としてである(6月21日―7月4日、会場はオー … 続きを読む

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『謎のトマ』(41年初版の篠沢秀夫訳)

『謎のトマ』41年初版の邦訳が出た(篠沢秀夫訳)。これは画期的な訳業である。まず原版(ガリマール、2005)の裏表紙の紹介文をご覧になってほしい。 初版の刊行以来再刊がなされていなかったことがわかる(50年出版の短縮版は … 続きを読む

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