『言語哲学重要論文集』(春秋社)

約1年前に出た『言語哲学重要論文集』http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-32310-6/ は教科書的なタイトルのおかげで地味な印象を与えるが、すばらしい内容である。ラッセルとクリプキを軸に(特に『名指しと必然性』に現れる重要な主張が論文集全体の基軸となっている)、20世紀の言語哲学の核心を“概観”するのではなく、その議論の内奥にすぐさま入っていけるように編集されている。カプランの二つの重要な論文がしっかりと邦訳されていることは特筆すべきである(これに比べるとドネランの立派な論文が、ラッセル-カプランの結び目のように、悪い言い方をすればダシのように扱われてしまったことは少し残念であるけれども)。

わたしにはカプランを論じるほどの教養はない。こうした企画を一般読者の立場から歓迎するくらいが関の山である。この人のしつこい思考とその直截的表現(ときに狷介だが)には憧れる。

そしてクリプキ。このおかたはいまも分析哲学の最前線にいる。この論文ばかりはわかったようなことを書けば恥をかくだけである。

 

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