街の匂い

私は比喩を使わないから、おしゃれな話を期待されても困る。欧米の人は日本の街(たぶん東京のこと)が魚臭いという。私はたとえば湯河原の温泉旅館などに立ち込めている出汁と大根おろしの匂いは苦手だが、東京の生臭さというのはよくわからない。単純に下水の臭気を感じることは多いけれど。海外から来て東京の匂いが気になる人は、互いの食文化の差異のせいだろうから、ガマンしてもらわないといけないね。

(ここでエルディンガー生投入)
私が西欧の街を歩いていて気になるのは、バタ臭いようなチーズ臭いようなやわらかいうんこ系の芳香より、道ゆくご婦人の香水である。ホテルの石鹸からしてきつい香りだ。近頃は日本のホテルでも似たような系統の商品を使うようになって、私が言うのも何だが、資生堂も出汁も立場がないように思う。

私の特技は匂いの嗅(ここからあとはジャマが入って書けなかったので、ジャマをした会話に移行する)

「もしもし。フランス語はわかりますか」「はい、わかります」「このメールはなんて書いてあるんでしょう」「Tu ressembles a un Japonais. おまえはある日本人そっくりだ、ってことですね」「何て返事をしましょうか」「これ、たぶんスパムだと思いますが」「じゃ、ジュマペルシャルルと返信しておきます」「……(フランス語わかるじゃない)」「ところで、ハワイ島のパホイホイ溶岩って知ってますか」「……(知る訳ない)」「これ、滑らかで歩きやすい、って意味の現地語らしいのですが、アメリカだかヨーロッパだかの地質学者がこの溶岩は何て名か、と尋ねたのに対して土地の人が答えた言葉をそのまま溶岩の名前にしてしまったんです」(ここで第三者が介入)「カンガルー、っていうのもアボリジニの言葉ではわからないという意味なんだけど、これもあれは何、という西欧人の質問にそう答えたために付いた名らしいですよ」「……」 @centurybreak, Fujisawa.

【解説】

藤沢南口のセンチュリーブレイクは今世紀はじめに開店したビアパブである。広い空間にしゃれたカウンターを配し、常時10種類ほどの樽生ビールが飲める。昨夜訪れたときにはテーブル席を含めてほぼ満席で一度は帰ろうかとも思ったが、カウンターが一人分空いていたので、にぎわいに紛れてブログのエントリーでも書こうと着席した。思いつくまま始めたのが冒頭部分。昨夜はイルムバッハ、エルディンガー、パウラーナーとドイツビールのラインナップがよかったため(他にベルギーのどこだったかのセゾンビール、そして私の好きなイタリアのボルゴ、それに国内の厳選された地ビールなどもあり、こんな銘柄の組み合わせをオンタップで飲める店は都内にもそうはない)、まずエルディンガーを飲み始めたところ、どういう流れかはわからないが、テーブル席の人々が次々に帰途につき、あったという間もなく店内はカウンターの常連ばかりになった。それゆえ、にぎわいに紛れてエントリーを書くという当初のあては外れ、常連たち相手の例によってとりとめのない会話に巻き込まれた次第である。上記はその抜粋であり、じっさいには意味不明なノリが2,3時間は続いていたはずだ。

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