無内面女子について

ここだけの話だが、わたしは女囚さそりの梶芽衣子の虚ろを好む者である。”Lola Montès” の素晴らしいデジタル修復版を見ていて、ショウの厳密な演出の中核であり、意志し得ないはずの機械としての自分をあえて意志するローラ・モンテス(を演じるマルティーヌ・キャロル)に、かの梶芽衣子を見てしまった。

梶芽衣子と芦川いづみとはまるっきり異なる映画的キャラクターだと思っておられるかたも多いと想像する。だが、一つだけ重要な共通点を指摘しておきたい。中身が空っぽ、ということである。けっしてこの素晴らしい女優二人を批判しているのではない。逆である。映画においてこういう虚ろさを自身の姿によって現前させ得る女優さんはそんなに存在しない。ローラ・モンテスのマルティーヌ・キャロルに比べても、虚ろの立ち現れという点で梶芽衣子と芦川いづみは勝っているとさえわたしは考えている。

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