alter, alius

このところ更新が速いのは、この一月を勝手に夏休みと考えているからだ。そろそろ「新学期」の準備を始めなければならない。

夏休みのエントリーだったので、ラテン語のことはまったく書かなかった。昨日、ごく基本的な文法事項について悲しいミスを犯したので報告する(ひょっとしたらラテン語を勉強中のかたに役立つかもしれないから)。

結論から言うと、alter(形容詞。二者の間で「他方の」「もう一つの」を表す)とaliter(副詞。対応する形容詞はalius=複数のものの間で「他方の」「もう一方の」「別の」を表す)を混同したというだけの話。

【例文】

1 unus atque alter = one after another

2 Non aliter scribo ac sentio(わたしは考えているのと別様に書きはしない)

alter は「アルター・エゴ」(alter ego. これももともとはラテン語)の「アルター」と銘記して間違えないようにしよっと。

ちなみに、alius の単数属格はalīus だが、単数属格だけはふつうalter のそれ(alterīus)を使う。面倒なので初学者は記憶しないで流してしまうことが多い(わたしはそうだった)。「他方の(他方に属する)もの」という時には文脈上すでに二者が区別されているので、二者間の関係を示すalterīus で複数のものの間の線引きを示す alīus を兼ねるということだろう。たとえばローマ市民とそれ以外の者の区別がすでに明らかな文脈で、他方の、というときに、alīus を使うのはたしかにくどい。ではなぜ属格に限るのかと言えば、与格や奪格は限定的性格が強く、「他のもの」を未限定のままにしておくことと、「二者のうちの他方」を明示することの区別が必要だからだろう。

【訂正についてのお詫び】 昨日の公開時、alter を「単数の二者の間で」使うと書いてしまったが、これは誤りで、区別が明確な二者であれば複数でも使う(複数形もある)。訂正の上再度ポストした。まぬけで申し訳ありません。

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