オフュルス『ローラ・モンテス』のサウンドトラックについて

オフュルス『ローラ・モンテス』の08年デジタル・リマスター版の音声の素晴らしさについては前に述べた(紀伊國屋書店版DVDを視聴した感想)。その後Criterion 版Blu-ray を入手し、そのリーフレットの解説を通して音声の修復がどのように行なわれたのかを知ったので、この箇所を訳出しておく(出典:About the restoration and transfer

「4トラック磁気ステレオというサウンドトラック・フォーマットは、サラウンド音声初期の試みで、シネマスコープ・サイズのフィルムでのみ可能だった。左、右、中央、そしてサラウンドの4チャンネルからなるが、音質が貧しいため映画製作者はめったに使用しなかった。この方式ではシネマスコープのフィルム・ストックの両端に磁気トラックを付加する。そうすることでプリントは脆弱になり、劣化が早まる(注)。08年修復版のオリジナル3.0 サウンドトラックは、残存していた2本のシネマスコープ・プリントのオリジナル磁気4 トラック、およびもっと後のモノラル・サウンドトラック版プリント(後者は一箇所の小さな修復のため)から24bit でリマスターされた。クリック音、殴打音、ヒスノイズ、うなりは、Pro Tools HD を用いて手作業で除去され、音割れは、AudioCube のインテグレーテッド・オーディオ・ワークステーションを用いて低減された。付加的修復は、CEADER オーディオ・レストレーション・システムによって行なわれた。」

訳注 磁気録音方式のサウンドトラックは光学録音方式に比べ劣化の進行が早い。湿気を帯びたサウンドトラックは隣接するフィルムに粘着してしまうことがある。この解説の「残存していた2本のシネマスコープ・プリント」も、単独ではリマスター(映像・音声とも)に耐え得ない状態で残っていたと思われる。

 

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