バルザック「フェラギュス」の Devorants と “OUT1” の Dévoreur

ジャック・リヴェット‟OUT1” 最終エピソードで、フレデリック(ジュリエット・ベルト)がリュシーに電話し、ルノーが Dévoreur に関係している、と告げるところは謎だったが、東京創元社版バルザック全集7『十三人組物語』序文の訳注を読んでその謎が解けた。『十三人組』最初の物語「フェラギュス」に登場するDEVOIR団とDEVORANTS組の関係について解説する注である。

「ドボワル団(DEVOIR〔義務〕なる語から「義盟団」の意)は職人組合(コンパニョナージュ)の一派として友愛相互扶助の団体で、デボラン(DEVORANTS)とは、実は、ドボワル団員をさすドボワラン(またはデボワラン)(DEVOIRANTS)がつづまってデボラン(DEVORANTS)と称したものであるが、フランス語の動詞デボレ(DÉVORER)〔食いつくす〕、デボラン(DÉVORANTS)〔食いつくす(もの)〕との類似から、バルザックがここに後者の意味をみていることは、デボラン組の頭領フェラギュスが職人組合の抱く建設的モラルに服するというよりも、むしろ不軌、破壊、殺気の人であるところからも、明らかに察知される」

なおこの全集版「フェラギュス」p.114 の地図には、この作品の舞台となるパリの地図が掲載されており、そこにビセートルの表記が認められる。

【追記】「フェラギュス」はベルリオーズに捧げられている。「フェラギュス」第四章に引用される聖歌「怒りの日」(Dies Irae)が、ベルリオーズ「幻想交響曲」終楽章のモティーフであることによる。

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