Mr.Klein(Joseph Losey, 1976)

ロージー『パリの灯は遠く(Mr.Klein)』にはマイケル・ロンズデールとジュリエット・ベルトの他にあと二人、リヴェット『アウトワン』の主要メンバーが登場する。『アウトワン』で哲学者ワロックを演じたJean Bouise と、マリー役のHermine Karagheuz である(『パリの灯は遠く(Mr.Klein)』において前者は、画商のアラン・ドロンのもとにオランダ絵画を売りに来るユダヤ人――最終場面にも登場する――、後者は、レジスタンスのクラインの協力者フランソワーズと同じ職場で働く女性)。ロージーはフランス映画界とも縁が深かったので、このキャスティングも不思議ではないが、『アウトワン』を見たばかりのわたしはやはり驚かざるを得なかった(『パリの灯は遠く』は、今日DVDで見直した。ロージーを敬愛するわたしはこの作品を何度となく見てきたが、『アウトワン』のキャストと重なることなど今日までまったく知らなかった)。

気になったので、Michel Ciment によるロージーへのインタビュー本を読み返してみたが、ジャック・リヴェットへの言及は一箇所もない。しかし、ロージーはストローブ=ユイレを当たり前のように見ていたりする。『アウトワン』にも彼はおそらく関心を寄せていたのではないか。

エンドロール。

ところで、反ユダヤ主義の連中が集まるナイトクラブのシーンは、アラン・ドロンとジュリエット・ベルトには事前の予告なしに撮影されたという。ロージーの証言によれば、二人の困惑の表情はそれゆえの結果である。ちなみにこのシーンで歌われているのは、グスタフ・マーラー「亡き子をしのぶ歌」だ。吹き替えなので気づきにくいが、舞台で歌い手を演じているのは男性である(美術はアレクサンドル・トローネル)。

【追記】「ポジティフ」編集長であるシマンは、リヴェット嫌いである(参照 : Michel Ciment:“aujourd’hui il est de bon ton d’aimer les films plein de défauts”, http://www.lesinrocks.com/2014/10/25/cinema/michel-ciment-11531870/)。それゆえ彼のロージーへのインタビューにはリヴェット作品と重なるキャストについての言及がないのかもしれない。

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