Leonhardt×Straub

アテネフランセ文化センターの特集「ストローブの時代」が今日から始まった。レオンハルトへのオマージュ「ヴェネツィアについて」を見に行った(実際には以下7本の最近作を見たーー「ある相続人」「ジャッカルとアラブ人」「慰めようのない者」「母」「ミッシェル・ド・モンテーニュのある話」「影たちの対話」「ヴェネツィアについて(歴史の授業)」)。

「ヴェネツィアについて」のラストシーンは『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』から、BWV 205 の第2-3楽章(Aeolus のレチタティーヴォとアリア)の場面のすべてである。この長回しは AMB でももっとも長いはずで、館の広間の窓辺にバス(Aeolus)が立ち、その手前のチェンバロに向かって指揮者で通奏低音奏者のレオンハルト=バッハがいて、彼の指揮に従い居並ぶオーケストラメンバーが全員起立して演奏するというものだった(本作品には曲の途中のカットも多いが、この曲は例外)。同時録音で収録され、レオンハルトのチェンバロもはっきり聴こえる。ストローブは「ヴェネツィアについて」本編の中身とは無関係にこのシークエンスをラストに置き、その後「音楽 J・S・バッハ 指揮 グスタフ・レオンハルト」という字幕を入れている。明らかなオマージュである。

ベルナノスのテキストを用いた「影たちの対話」の冒頭にも、AMB から BWV 140 (ソプラノとバスのデュエット)の場面が引用されている(アンナ・マグダレーナが病の床に臥せり、彼女のいとこがセバスチャンに帰宅をうながしたという箇所)。「モンテーニュの話」の主題も死の演習と自己についての探究であり、死のイメージがいっぱいである。

明日も出かけて他の作品を見るが、やはり『レウコとの対話』の一編、オルフェウスのエピソードを読み直した「慰めようのない者」がダントツにおもしろい。

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