Jeanne la Pucelle(Jacques Rivette)

リヴェットとリュプチャンスキー。ジャンヌを演じるのはサンドリーヌ・ボネール。どういう理由でリヴェットがこの作品を制作したのかは知らない。出来上がった作品はジャンヌ・ダルク研究の成果を映画によってどう表現すればよいかという問いへの見事な回答である。すべての場面が百年戦争当時のフランスの荒廃を再現し、リュプチャンスキーの冴え冴えとしたカメラに多少とも艶やかな映像が映るとすれば、それは見事な乗馬を披露する短髪のボネールの甲冑姿くらいだ。風景の中の人物たちはたいてい全身像で捉えられ、ロングショットのトラヴェリングも多い。ランスでのシャルルの戴冠場面も、零落王家の戴冠ならこのようであったろうという質素さだ。劇的な戦闘場面は省略され、ジャンヌと行動をともにした人たちの後年の証言によって語られる(ブレッソン『少女ムシェット』冒頭の母の独白を思わせる)。よけいな演出はない。少女が初めて登場するヴォークルールの場面にラストの薪が先取りされていたり、少女が自分で髪を切る際鏡の代わりに甲冑を用いたりすることを除いては。ジョルディ・サバールが音楽を担当している(「ロム・アルメ」などの中世の歌が聞える)。ボネールを筆頭に素晴らしい俳優陣。

新文芸座で、3月5日(土)22時45分から完全版(338分)のオールナイト上映あり(http://www.shin-bungeiza.com/allnight.html)。

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