ボッティチェリ展

ボティチェリ展はとてもよかった。今回の発見はこの画家独自の遠近法の使い方である。

ボッティチェリに帰属するとみなされている「女性の肖像(シモネッタ・ヴェスプッチまたはクラリーチェ・オルシーニまたはマリア・デ・ムチーニ)」(パラティーナ美術館)を見てみよう。

ポッライオーロ様式の横向き婦人画なのだが、背景の窓枠と窓越しの空のグラデーションによって、空間の見え方が変わる。あくまで二次元の表現なのに、その平面に遠近法の効果が現れる。

次の画像は今回都立美術館に出品された作品ではないが、同様のボッティチェリ独自の表現――最小限の疑似遠近法――が見て取れる(「ジュリアーノ・デ・メディチの肖像」、ナショナル・ギャラリー、ワシントン)。

ボッティチェリ様式といえば、だれもが「春」と「ヴィーナスの誕生」のデフォルメされた身体を想起する。しかし、ああした作品においても、ピエロ・デッラ・フランチェスカ由来の遠近法が下地になっている。

聖母子像の枠を形成する次のような構図を参照(「バラ園の聖母」、ウフィッツィ美術館)。

今回は出品されなかったが、同じくウフィッツィの「マグダラのマリア、洗礼者聖ヨハネ、聖フランチェスコ、聖カテリナ、聖コスマ、聖ダミアーノのいる聖会話」。

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