The Operas of Antonio Vivaldi(R. Strohm, 08)

ヴィヴァルディのオペラ研究の最新にして最良の文献、Reinhard Strohm, The Operas of Antonio Vivaldi, Leo S. Olschki Editore, 2008(英語)が届いた。2巻790頁の大著だが、第Ⅱ部は作品ごとに成立状況・あらすじ・ドラマの特徴・音楽の分析を簡潔にまとめており、いわばヴィヴァルディ・オペラ事典というおもむきの編集になっている。必要な箇所を必要な時に読めるためきわめて便利である。各家庭に1セットずつ常備されるべきだ。

すごいのは第Ⅱ巻、巻末の図表である。
たとえばヴィヴァルディの全オペラを成立年代順にまとめたクロノロジー。

Chronology of Vivaldi's operas

あるいは各作品の各アリアが他の作品のどこで使われているかの一覧(参考図は1727年版『狂えるオルランド』の表の1頁目)。

Orlando furioso 1727

もちろん索引も完璧である。ヴィヴァルディのオペラは適宜メモを取りながら聴いていかないと、しだいにどこにどのような音楽があったかを忘れていく(算術的サディスム)。よってこのような研究書の価値は絶大だ。それにしても著者シュトロームはどのようにしてこの体系的かつ緻密な研究を成し遂げたのだろうか。偉業としか言いようがない。

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