『風と女と旅鴉』

フィルムセンターにて今日再見――待望のニュープリント上映である。特筆すべきは音声の鮮明さだ(ノイズがまったくといっていいほどない)。三國連太郎と中村錦之助が出会う川辺の少し前のショットで、木立の間を一人行く連太郎が川のせせらぎを聴きつける箇所の、そのせせらぎの素晴らしさにまず引き込まれる(連太郎がひょいひょいという感じで森を歩いているときの鼻歌も鮮明)。町の場面に入ると、セットとロケを効果的に組み合わせる構成が絶妙だが、そこでも同時録音の音声が生々しい――連太郎が畑を耕す場面、錦之助と丘さとみの川辺から木立へのシークエンス等々。連太郎の畑のショット同様、村祭りの場面は加藤泰後年のドキュメンタリータッチで、そこでも音声が圧倒的である。ぜひこのプリントをデジタル保存してほしい。

ショット、語り、構成等に関する作品の評価は、監督本人の言を含めて多数あるので、繰り返さない。次の上映は来週水曜日である。わたしはもう一度行くつもりだ。

カテゴリー: 加藤泰, 映画   パーマリンク

コメントは受け付けていません。