紀元前1200年のカタストロフ

未読なのだが、ブローデルが残した「地中海の記憶 先史時代と古代」(邦訳、藤原書店)の第1部第4章Ⅲ(出来事、変化、破局)、そして第5章(紀元前12世紀から8世紀にかけて全てが変化する)の記述がきっかけとなって最近話題になることもあるらしい、先史時代のカタストロフが少し気になっている。

私がこの話題を聞いたのは、昨年末に文庫化されたジョー・マーチャント「アンティキテラ  古代ギリシアのコンピュータ」(文春文庫)をめぐる友人とのとりとめない会話においてだ。ブログを再開したばかりで、カタストロフときけば単純に胸騒ぎがしたというだけの話なのだが。

先述のブローデルから引用されたWikipediaの記事 http://bit.ly/g5ZcPPによれば、次のようなできごとがほぼ同時に起こったという。

  1. ヒッタイトの崩壊
  2. エジプトにおける海の民の襲撃
  3. ギリシャのミケーネ文明の崩壊
  4. 気候の変動

ヒッタイトといえば鉄の民として知られる。地中海に鉄の文化が広がるのはヒッタイトの崩壊による秘術の流出がその要因と聞けば、なんだかわくわくする話ではないか。だがそれだけではない。ミケーネ文明は紀元前1200年までにすぐれた文字文化を発展させていたのに、この破局を期に何と文字そのものを失ったというのである(これは前掲の「アンティキテラ」に出てくる)。いったいそんなことがあり得るのだろうか。あり得るとすれば、これはあくまで私の推測に過ぎないが、ギリシャの文字文化がごく限られた階層の独占的所有物だったということではないか。

古代史というのは諸説紛々なので、何も確かなことは知りようがないのだが、あまりふつうの世界史では触れられない話題なのでつい。

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