神々の名前

梶芽衣子という固有名は神話の領域にある。

神話に登場する神々の名は「伝達」とか「商売」とか「戦争」といった理念を表現するとともに、具体的な物語を通じて神々のキャラクター(神格)を個体化する。神話がなければ神々の名は理念の抽象的な表象(代表)に留まるので、理念の生きたコンテクストを示すことが神話の役割だと言っていい。神話のこのような機能を考慮すると、名辞とイデアの緊密な関係を確認できる。

だれも意図して神話を書くことはできない。にもかかわらず神話の契機はいつの時代にもある。名辞がイデアであることを考慮しないで言葉を用いるということがそもそも可能なのかどうか。現代のアーティストたちもそれと気づかぬうちに神々の名を刻んでいる。その名によって表現される理念の意味が明らかにされるまでには若干の年月を要するが。

 

 

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