ライプツィッヒのバッハ・アルヒーフ(アーカイブ)会長に就任したイギリス人、ジョン・エリオット・ガーディナーによるJ・S・バッハのカンタータ集成がようやく出荷された。一ヶ月ほど発売が延びていたのでうれしい。この間わたしはグスタフ・レオンハルトの初期録音でバッハの教会カンタータの早い番号の作品を聴いていた。このエントリーの標題に掲げたのは、BWV8「神様、わたしはいつ死ぬの」である。3拍子の晴れやかでおそろしい冒頭合唱(弦のピチカートとオーボエが刻む主題の上にトラヴェルソの単音連打が重なる不思議な曲想)と簡潔で美しいアリア(テノールのそれはマタイのアルトのアリアやヴァイオリンとチェンバロのためのソナタなどでおなじみのモチーフを用いている)、それに死と生を司る神様への賛歌にふさわしい終結コラールで構成された素晴らしい作品である。レオンハルトの絶対テンポ感が指揮においても十全に発露された冒頭合唱は、死を表象する3拍子の不愉快な感じを味わうのに最適である。ガーディナーのBOXが遅延する間にレオンハルトの録音を聴きなおしたことは、ガーディナーに対して少し気の毒なことになったかもしれない。今月はルネ・ヤーコプスのマタイも出て、バッハ祭りの様相を呈している。
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